子どもの未来のために「教育×IT」の便利なサービスを広げたい【役員インタビュー】

1978年生まれ。早稲田大学大学院 商学研究科 経営管理修士(MBA)修了。
専修大学法学部卒業後、大手文具メーカーの法務部を経て法律事務所へ転職。企業法務におけるリスク管理を習得し、旺文社へ入社。英語学習のプラットフォーム事業や過去問事業、新規事業開発などに従事。2018年4月、旺文社ベンチャーズ設立に携わりプリンシパルに就任。同年11月、ハグカム取締役に就任し、戦略立案、リスク管理などに従事。子どもたちが幅広い視野で将来を考え決められるよう、優れた教育サービスや情報で親世代にも気づきを与えたいと考えている。

法務知識と経験を武器に事業会社でビジネスに携わる

もともとモノづくりが好きだったこともあり、法学部で法律を学んでいたことから大手文具メーカーの管理部門で新卒入社をしました。

約3年後、法律関連の実務不足を感じて法律事務所に転職をしました。企業法務や法人の債務整理なども行っていたので、パラリーガルとして会社の内情やリーガルリスクなどを学ぶことができました。この期間はあくまでも下積みととらえていたため、ある程度法律を理解したらまた事業会社に戻ろうと考えていました。当時企業法務ができる人材は少そこまで多くはなかったこともあり、それを武器に約2年後に旺文社の法務部門に入社しました。

「法律×ビジネス」の強みを活かしてスタートアップの支援へ

旺文社では法務部門をはじめ文科省のプロジェクト、高校生向けの教育情報、広告、Webメディア、新規事業開発など10数年あらゆる実務の経験をさせていただき、その中で実績を評価されたと勝手に思っております。また、早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得した事もベンチャーズ創業に携われた一つの要因かと思います。

「法律×ビジネス」という自分の強みをどのように活かしていくのかを考えていた際、旺文社ベンチャーズの創業とファンドを組成する話が出て出向の打診をいただきました。
これまで体感できなかったスタートアップのスピード感と規模感を、ベンチャーキャピタルという立場で支援するというチャンスは二度とできないだろうと思って引き受けることにしました。

一人称だった教育課題が、次世代にどう伝えるかにマインドシフト

教育業界に興味を持ったきっかけは、旺文社への転職が大きかったです。いつの世代になっても新しいものを吸収してアップデートし続けなければいけないと考えた際に、「学び続ける」という教育はとても重要だと感じました。

次は、旺文社での高校生に進学情報や学習を提供する部署での経験です。どんな学校に行けばいいのか、何をやりたいのかを見つめなおすことを教える媒体であるべきですし、学生にとって正しい情報を与えることが自分の役割だという気持ちがさらに醸成されてきました。

最後に、自分自身の子どもが生まれたことです。
みなさん同じ意見だとは思いますが、人の親になって初めて気が付くことも多く、子供と接することで新たな学びが多いです。
やはり子どもは親を見て育ちますし、何もない箱に何を入れるかはある程度までは親が決めないといけないと思います。ただ、大人の固定概念や経験に固執せず、子どもそれぞれの強みや個性を活かして、学ぶ場や活躍できる環境を提供することが重要だと思います。

優先順位は人それぞれですが、コミュニケーションの基礎である語学は幼いうちから継続して学んでほしいと思っています。低学年のうちから語学を学び、将来海外にどんどん海外に出て、異国文化だけでなく、ものすごいスピード世の中が変わっていくのを経験してほしいです。
正解がわからないこの世の中だからこそ、他者とコミュニケーションをとって解決に向かっていく、自分の強みを理解して、自分に合う環境を見つけたり、つくったりできる人を育てたい、と思うようになりました。少なからず語学の出来不出来で人生の選択肢が違ってくると思います。

こういった経験から、教育というテーマが自分という一人称ではなく、次世代の子どもたちに何をどう伝えていくのか、というマインドにシフトしました。

「子どもたちをちゃんと見ている」からこそ惹かれたハグカムの教育

オンライン英会話は国内外で多数ビジネス展開をしている企業がありますが、ハグカムは日英バイリンガル講師を多く在籍している特徴があります。未就学児から低学年の子供への英語教育として考えた場合、「学び続ける」にはレッスン中に日本語のサポートあるのは重要な要素になります。

また、予め決められた時間を設定するので親からすると毎回の予約は不要ですし、いろいろな相性の良い講師とマッチングしているので、子供たちは楽しくレッスンができ、学習の習慣化が生まれます。

このように子どものことを第一に考えたオペレーション設計になっており、ユーザーの痒い所に手が届くオンライン英会話は他にはないと思っております。

結果も明確に表れていて、GLOBAL CROWNは継続率が非常に高いです。
これは子どもたちがレッスンを楽しんでいて、親が満足し、続けたら話せるようになるだろうと感じているから継続率が高いのだと思っています。この「ユーザーが辞めない」というサービスは、ビジネスとして絶対的に強いです。また、ひとりの親としても安心感がありますし、旺文社としても一緒にビジネスを創って行く上でとても信頼がおけます。

こういった「子どもたちのことをちゃんと見ている」という点は出資検討のときにも感じましたし、ハグカムにジョインしてからも変わらず魅力を感じている要素です。

「夢中の力」を信じるのは親の役目?ハグカムは親と同じ目線で子供に向き合っていく

2021年3月の資金調達を終えて、会社として次のステージに行く際に会社のVision/Mission/Valueを考える機会がありました。ここは代表である道村さんの考えが言語化できていて、今の現メンバーにも浸透し始めていると思います。

実は、<子どもの「夢中の力」を信じる>という新しいビジョンについて議論しているとき、最初は「子どもの夢中の力を信じるのは親の役割で、会社はそれを引き出すのでは?」と思いました。ですが、ひとりの親として考えたとき、子どもの可能性や将来性を信じ切れている親はどれぐらいいるのか、少なからずコントロールしたいと思っているのではないか、という話がでて改めて気づかされました。

子どもの「夢中の力」を信じることが親のスタートラインだとして、親がやろうとしていることをハグカムは同じ目線でやろうとしている、という姿勢を表すこのビジョンは、心に刺さるものがありました。
色々なことが原因で子どもの「夢中の力」を信じ切れていない世の中だからこそ「こんな会社があるよ」ということを、もっと多くの親に気づいてほしい、知ってほしいと思います。